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直前に食べたもの [2021/04/06 18:09] 127.0.0.1 外部編集 |
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- | ====== 直前に食べたもの ====== | ||
- | ニューヨークの地下鉄を私はよく利用する。 | ||
- | 毎朝通勤の度に地下鉄構内で何やらぶつぶつ言ってる一人のホームレスの男がいた。 | ||
- | 男の近くの壁に寄り掛かり内容を盗み聞きした。 | ||
- | 目の前をおばさんが通る。すると男は | ||
- | 「豚」 | ||
- | と呟いた。 | ||
- | 私は思った。なんだただの悪口か、動物に例えているだけか…。 | ||
- | 次に普通のビジネスマンが通る。すると男は | ||
- | 「人」 | ||
- | あぁ、まさに普遍的人間って感じの人だな…。 | ||
- | 別の日、暇潰しにまた盗み聞きしてみる。 | ||
- | 男の目の前をやつれた男が通る。すると男は | ||
- | 「牛」 | ||
- | と呟いた。 | ||
- | 牛?どちらかと言うと痩せた鳥だが…? | ||
- | 次に典型的な肥満の男が通る、すると男は | ||
- | 「野菜」 | ||
- | と呟いた。 | ||
- | 野菜?豚の間違いだろ? | ||
- | 私は家に帰り考えた。 | ||
- | もしや、次に生まれ変わる生き物、すなわち転生を言い当てるのか!? | ||
- | その後、何度もホームレスを観察しているうちに疑問も確信に変わった。 | ||
- | ある日思い切ってホームレスに疑問をぶつけ、能力を身につける方法を教えてくれと懇願した。 | ||
- | ホームレスは淀んだ目で私を見つめた後、私の頭に手をかざした。 | ||
- | 次の日からホームレスはいなくなった。仙人だったのだろうか?はたまた神か? | ||
- | 私は能力を身につけた。 | ||
- | それは期待するものとは違っていた。 | ||
- | ただ単に、その人が直前に食べたものだった | ||
- | 私はあまりのくだらなさに笑ってしまった。 | ||
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- | ええ、その能力自体はささいな、でいいとして、 | ||
- | 振り返ってみますと、通ったビジネスマンの直前に食べたもの・・・ | ||
- | 「人」 | ||
- | ・・・てことは |